9月に入っても、まだまだ猛暑続きです。
しかし、夜になると秋らしく、虫の音がどこからともなく響いてきます。
ベッドに横たわり、秋の音を楽しみたいものですが、横になったとたんに深い眠りにおちいり、
強い日差しに目が覚めるという朝を迎えています。
連日の遺品整理と福祉整理の作業現場続きですが、今年の動向を記してみましょう。
遺品整理に関しては、特殊作業を含む「孤独死現場」の時期が例年と違い、遅い時期に発生しています。
先月より毎日のようにあんしんネットへ、孤独死や孤立死の現場整理依頼が入ってきています。
同業者に聞くと、やはり同じような傾向とのことで、例年に比べて1月ほど時期が遅くなっています。
また、今年は「生活保護費受給者」の孤独死が多いというのも、一つの傾向です。
昨年は、大震災の影響もあり、家族や親族、さらには友人や知人との連絡が密になり、
独居男性の孤独死数が減りましたが、その反面、生活保護受給者の孤独死が増えているようです。
ですから、行政からの依頼が多いのも、今年の傾向と言えます。
福祉整理に関しては、先月、政府発表で「認知症」患者数が、300万人を超えたとの統計が出されました。
これは政府予測に反して、かなりのスピードで増えており、今後の日本にとって重大な問題となります。
厚労省は、来年度を初年度とする「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を策定し、
認知症の早期の診断や対応の充実、ケアの質の向上などに向け、
認知症疾患医療センターの整備や初期集中支援チームのモデル事業化、薬物治療のガイドライン策定などを行うとしています。
しかし、まだまだ見落としたケアの部分があり、医療や介護だけを整備すれば良いとはなりません。
認知症の患者がひきおこす「ごみ部屋化問題」に対しても、目を向けて欲しいものです。
今、あんしんネットでは、地域行政と医療機関との連携をはかり、高齢者の福祉整理に力を入れています。
月間の施工数の半数以上が「福祉整理」を占めており、整理方法や対応が日々進化しているというのも実情です。
現場に入る前に、「作業の段取り書」を作成して、依頼者側にも事前に提出して、計画に基づく整理を行なっています。
細かな打合せも行なわれ、現場以前にやることは多く、現場では汗を流し、そして作業の反省を続けています。
単純に片づけをやればいいと発想は、私たちのスタッフではあり得ません。
常に相手の立場を考え、そしてよりよい介護や介助の空間作りを目指しています。
福祉整理の現場は、認知症患者数と共に、このままでは増えていきます。
それに対して、今、行政や自治体レベルで対応を考えなければ、手の施しようがなくなるという現実が訪れます。
最前線で地域と向かい合う、特に「地域包括支援センター」では、人手が足りないという実態もあり、
単にシステムを構築すればいいという安易な発想はやめて、総合的に大局的な見地から、最善策を見つけ出してもらいたいものです。
もちろん、あんしんネットでは、私たちの現場から見える対策などは、ことある時に指摘をしています。
講演会や勉強会、研修会では、そのようなことも交えて、今後とも貢献を続けていきたいものです。
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