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遺品整理や福祉整理での気配り

私の好きな絵本に、『ブタヤマさんたらブタヤマさん』(長 新太著)があります。
主人公のブタヤマさんが蝶を追うことに夢中で、後ろから迫る不気味な影に、全く気付かないままに、物語は進みます。ついつい目先の獲物に意識が集中してしまい、後ろからの呼びかけや気配に気がつかず、物語は終わります。

子供向けの絵本なのですが、実はこの作品の裏側には、精神的な教訓が描かれています。
人は、物事に夢中になると、周りが見えない状況に陥ります。
その状態のままでいると、いつしか自分が周りと孤立しがちとなり、人に対しての心配りもできません。
集中すると同時に、周りの気配を読むことが大切だよと、教えてくれているようです。

これを遺品整理や福祉整理に照らし合わせてみるとどうでしょう。

現場で作業にだけ集中していても、機械的に動いてしまい、決していい仕事はできません。
現場に関わる多くの人の気持ちを読み取り、さらには自分の気持ちを相手に配るという「気配り」が実は大切だと思うのです。
もちろん、亡くなられている故人への気配りもそこには含まれます。
福祉整理ならば、高齢者への配慮はじめ、家族や親族へどのように思いを寄せるかを考えて、作業しなければ単なる片付け屋で終わってしまいます。

あんしんネットの現場では、現場に関わる様々な気配を読み取り、そして気配りを大切に考えて、スタッフは動いています。

この「気配り」は、実は仕事だけではなく、すべてのことに通じているようです。
最近、スタッフの中で、ちょっとした不注意により車両をぶつける事故をおこしました。
周りに意識を配っていれば、ささいな衝突は免れたのですが、それを怠ったが故に、結果は事故です。
対物事故でしたから、そこは安堵しましたが、このようなことがない状態がベストです。

茶道の世界でも、おもてなしの気の持ち方がいかに大切かを説いています。
「一期一会」という言葉も、気持ちの持ち方をあらわした表現であり、色々なところで「気」ということの大切さが見受けられます。

梅雨入りとなり、時には雨天での作業となるこの季節ですが、常に「気配り」に気をつけて、今月の現場にのぞみたいものです。

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