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 突然の死というのもおかしな表現ですが、ここでは事故死や災害死、自殺などの死因を対象にしてみましょう。

 例えば駅のホームから落ちてしまい、そこに電車がきて轢かれてしまった場合の事故死では、遺体はまず管轄の警察署へと運ばれます。
 最近は法医学の話も広く知られるようになりましたが、警察において検視が行われます。
 死因はもちろんのこと、犯罪性があるか否かも調べられます。
 したがって、遺体はすぐに自宅に戻ることはありません。
 もし単身で事故に遭った場合は、身元確認から行われますので、遺族の元へと警察から連絡がはいります。
 まさに突然のことですから、病死の時よりも精神的にきついものがあります。その場合は、必ず家族の付き添いの元に警察へと出頭してください。

 私の叔父も実は駅のホームから線路に落ちて、列車に轢かれて突然の死が訪れました。叔母は気が動転して、警察に駆けつけることができずに、私が警察の遺体保管室に出頭したことを記憶しています。

 さて、遺体の損傷がひどい場合は、それなりの処置をおこないますので、当然時間もかかります。

 ここで正確に解剖について触れておきます。
 検視で犯罪の可能性が疑われた場合には「司法解剖」が行われます。

 司法解剖は、通常、遺族の同意をとりますが、裁判所が「鑑定処分許可状」を出せば同意がなくても強制的に実施されます。実務では、遺族の同意に関係なく、鑑定処分許可状をとるのが普通です。
 検視には「行政検視」もあり、これは、犯罪による死亡ではないことが明らかである不自然死体(行き倒れや自殺など)について、公衆衛生・死体処理・身元確認のために行われるもので、警察官が行ないます。

 解剖には先の「司法解剖」のほか、「行政解剖」があります。
行政解剖は、公衆衛生・伝染病予防などの目的とするもので、死体解剖保存法・食品衛生法・検疫法などが行政解剖を認める規定をおいています。この場合にも、遺族の同意は必要ありません。
 その他、医学目的から解剖をすることがありますが、これは遺族の同意や本人の生前の同意が必要となります。

 死体解剖保存法により、事件性のない遺体の死因確定のための行政解剖について、一部の県が事件捜査の一環で司法解剖として処理しています。
 司法解剖だと費用が国庫負担となり、自治体が負担しなくてよいからです。中には行政、司法の別なく解剖をすべて警察任せにしている県もあるようです。
 司法解剖は犯罪との関係が疑われる遺体について、警察、検察、裁判所からの嘱託・命令で行われ、費用は警察法37条の「犯罪鑑識に要する経費」として国庫負担となります。
 遺族は、全てが終わると警察もしくは医師より死体検案書を受け取ることになり、それら所定の手続きが終わって遺体を引き取ることになります。

 遠方で事故死に遭った場合、その土地で火葬に付すこともありますが、遠距離でも遺体は搬送できますので、葬儀社なりに相談してください。
海外で急死した場合、一番困ることは遺体の搬送ですが、現地の大使館に相談して下さい。

 現地の大使館が埋葬許可証を発行したり、その他現地医師の死亡診断書、さらには遺体の防腐処理証などが必要になります。海外からの遺体搬送については、大手葬儀社はじめ都内では三友ライフサービス株式会社などが行っています。

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