一般には「孤独死」という言葉が多く使われていますが、最近「孤立死」という言葉が官公庁では公のものとなってきています。
孤独と孤立。
同じようなニュアンスなのですが、遺品整理の現場のから見ると、やはり孤独が適しているように思えます。
あえて他の言葉を借りるならば、「独居死」という言葉が良いのかもしれません。
「孤独死」は、1995年の阪神淡路大震災が起こったときに、仮設住宅での一人きりの死をマスコミの報道で孤独死と報道して広まったものです。
英語で言うところの、「solitode」か「loneliness」。
二つの意味は楽しい孤独と寂しい孤独であり、その二つを足し合わせた孤独で使用したものなのでしょう。
しかし、楽しい孤独死現場というものは決してありませんから、あくまでも「loneliness」の意味合いが強いと思います。
最近言われ始めた「孤立死」とは、厚生労働省が使用し始めた言葉で、「独居老人などが地域から孤立した状態で亡くなること」としており、あくまでもお役所的に見た客観的な言葉に感じてしまいます。
「孤独なお年寄り」、この表現と、「孤立したお年寄り」。
二つの言い回しを比べてみても、お年寄りを物として見た言い回しに感じるのが、後者です。日本語の持つ、温かみというものが、言葉によっても言い表されており、これではいつまでたっても、「役所は冷たい」となってしまいます。
先日、厚労省の一つの部会で検討されてきた報告書「孤立死予防型コミュニティづくりへの取組み」も、まだまだ議論し尽くしていない内容となっています。
報告書はこちら>>>http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2008/03/dl/h0328-8a.pdf
写真は、3月18日開催の厚生労働省の検討会
高齢で動きがとれないお年寄りをいかに見守るか。
地域社会の働きかけや、行政の福祉体制のあり方。
民間の働きかけ。
物質本位で成長を続けてきた日本の大きな歪の一つとして問題化されてきていますが、物を論じる時は、心の問題も論じていかねば片手落ちとなります。
物心両面にわたる議論を、もっともっと行なって欲しいと願うものです。
私たち「あんしんネット」の遺品整理は、「物心両面の整理」と掲げているように、特に心を重んじる企業でありたいと思って業務を続けています。