2世帯住宅で、お義母さまは1階部分の2DKにお住まいで、戸建てにしては家財は少ない量でした。
「お義母さまはいつもきれいにお部屋を片付けられていましたね。普通、お一人暮らしでも、戸建て住まいの方は、かなりの量になるのですが、おおよそその半分くらいの物量ですね」
「私から見ると、それでも多いと思っていたんですが・・・。それに知人から聞いたんですけど、1部屋の整理だけでも料金が100万円くらいかかるんですか?」
依頼主は、遺品整理というものがどのようなもので、それにいくらかかるのかわからずに、不安だったようです。
2部屋ありましたから、今回のケースだと200万はかかるのではと、考えられていたのでしょう。
それを口にした知人にも問題がありますが、この業界がいかに不透明であるかを物語っています。
その中で、家電リサイクルについても質問がありました。
「家電製品のリサイクル料金は、電子レンジや掃除機などにもかかるんですよね?それに乾燥機にもかかりますよね?」
「家電リサイクル料金がかかる品目は、4品目だけですよ。エアコン、冷蔵庫、テレビに洗濯機の4つです」
「そうなんですか?私はてっきり家電製品のすべてにかかると思っていました」
「一般の人にはまだまだ情報が行き届いていませんが、それぞれの品目によって料金の違いがあります。
厳密に言うと、メーカーによっても違いはあります。
一例ですと、パナソニックのエアコンは3,150円。洗濯機は2,520円。テレビは、16型以上は2,835円。冷蔵庫は171ℓ以上は4,830円です」
「以外に安いんですね」
「そうなんです。実は自分でリサイクル券を購入して、指定の集荷場所へ持ち込めば、その金額で大丈夫なんです。でも、まだ充分に知られていないですから、どうしたらいいのかが一般の方はわかっていませんね。電器屋さんも自社で引き取って集荷場所へ持ち込むには、お客様から運搬料金をもらっています。その料金を合わせたものが、実は家電リサイクル料として告知されているみたいですね」
「先ほどテレビは16型以上と言われましたが、14型のテレビだといくらなんですか?」
「今年の11月1日より料金が改訂されて、1,785円です。冷蔵庫も170ℓ以下が3,780円と安くなりました。さらにエアコンも従来より500円安くなっています。それに伴って、あんしんネットも、家電リサイクル料金を改定しています」
些細な料金変更ですが、従来の料金体系をそのままにしている業者は正しくはないと考えるからこそ、料金改訂は必要なことです。
また、先ほどの品目によるリサイクル料金の違いでわかるように、各品目によってリサイクル料金も違わないと実はおかしな話なのです。
家電リサイクル料金が一律同じ金額ならば、適正価格をつけていないと言えます。
「遺品整理会社」を選ぶ時の、1つの目安にもなる重要なポイントです。
今回の見積りでは、家電がまだ新しいものでしたから、依頼者の親戚が引き取ることをお勧めし、そのように決まりました。まだまだ使えるものは、そのように再利用することが、まさに自然に優しいことだと言えます。
ちなみに、あんしんネットの家電リサイクル料金と搬送費は、
エアコン 6,500円
洗濯機 5,000,円
テレビ(16型以上) 5,000円
(15型以下) 4,000円
冷蔵庫(171ℓ以上) 8,000円
(170ℓ以下) 7,000円
一般には知られていないこのような料金改定は、一人でも多くの方に知らせる意味でも、料金の見直しをする必要があります。
誰も知らないからそれでいい、という遺品整理会社があるならば、社会悪でしかありません。広義でみると、消費者をだましていることになり、詐欺と同じです。
家電リサイクル品目を回収したならば、リサイクル券の控えも排出者に渡し、きちんとその家電が回収場所へ運ばれて、メーカーでリサイクルされているかを、消費者にも確認してもらいたいものです。
確認はこちら⇒引取り状況確認システム
家電リサイクル料を支払って回収してもらったものが、リサイクルショップの店頭に並んでいる可能性もあります。
そうならない為の監視も必要であると思うのです。
家電リサイクルについては⇒ 財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター