東京は天候不順が続いていますが、その中での連日の現場入りとなっています。
この時期に多いのが、「変死現場」と言われる、異常死扱いの現場整理です。
異常死とは、「自殺、事故死、死因不明の病死」などがあげられますが、その中でも死因不明の病死で居宅内で亡くなったケースの現場です。
死後経過の日数が長ければ、遺体のDNA鑑定が行なわれます。
鑑定結果を受けて、故人の特定ができたところで、はじめて整理が可能となります。
先日の現場では、なんとその鑑定でDNAが親族だれとも一致しないという案件がありました。
今まで親族と思っていた人が、実は血のつながりがなく、まわりの親族も誰も知らなかったというものです。
現代社会の家族間の繋がりの希薄さを感じた案件でしたが、今の世相を反映しているように思えてしかたありません。
今から39年前に、アメリカのテレビドラマで、『ルーツ』が放映されました。
これはアメリカでの黒人奴隷問題を正面から描いたドラマでしたが、見るにつれて先祖のルーツを探りたいという思いにかられたものです。
まだ高校生時分でしたから、実際には社会人になってから、我が家の先祖探しをしてみました。
当時は、まだ戸籍も甘い感じで取れており、先祖をたどって行き付けた先は、江戸時代の天保年間に生をうけたご先祖様でした。私の祖父、さらにその3代先までは戸籍で名前や生年月日、命日までたどることができました。
また、先祖がくらしていた場所も特定できたのです。
ただし、あくまでも直系での先祖探しですから、分家筋がどこでどうなっているかは、残念ながらわかりません。
最近では、NHKで著名人の家族の歴史を、本人になりかわって探すドキュメンタリーが好評ですが、結構誰もが家族の歴史に疎いことを感じてしまいます。
人は必ず家族の歴史を抱えて生きています。
そこには先祖の歴史があり、またその中に先祖の思いも流れていると思います。
それらはDNA細胞により、次の代へときっと受け継がれているとも思います。
最近、高齢者の前に立ち話す時には、できる限りの系図を書き、あとに続く者に、それを伝えて下さいとアドバイスしています。
単純に相続を明確にするだけでなく、自分に関わる家族や先祖がどのように生きてきたのか、それを物語る必要の重要性をお知らせしているのです。
私も先日甥と話をする機会があり、私からすると祖父、甥からすると曽祖父のことを、どんな性格で、どんな生き方をしたのか、自分の知ることを伝えました。
甥からすると初めて聞く話だったらしく、それは新鮮に受け止めてくれたようです。
誰かが語り部として物語ることは、今の社会で必要なことであるようです。
遺品整理を行なう中で、故人となった方の歴史を見てしまいます。
それは、遺品から見えてくることですが、そこで見えたことは、できる限り遺族へと伝えるようにしています。
本来、遺品整理は家族がよりそって、故人をしのびつつ行なうものだと思います。
遺品を手にすると、どうしても故人との時間を思いだして、作業は止まってしまいます。
しかし、実はそれが遺品整理の醍醐味で、すべてを業者任せにせずに、自分たちでできる遺品整理に、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。
やれるところまでやって、これ以上はダメだと思えたときに、はじめて専門業者へと見積り依頼を出して下さい。
今月も東京、神奈川、埼玉方面での講演は続きます。
講演日以外は、見積りや現場作業へと飛び回っていますが、残暑に負けずに頑張りたいと思います。
最近は、重量物の整理依頼なども良く入ります。
とあるマンションの庭に、それは立派な庭石が鎮座していました。
重量は300㎏。
あんしんネットの母体のアールキューブ株式会社には、重量機工部が存在していますので、部署の連携で、300㎏なら簡単に撤去作業ができ、無事撤去完了。
時として、町工場の工作機械の撤去などもありますが、それも家財整理と合わせて、すべての手配ができます。どんな状況にも対応できる体制が整っています。
遺品整理から始まり、特殊清掃、福祉住環境整理、そして後見整理のパイオニアとして、一つ一つを丁寧に整理作業をすすめていきます。
今や、日本全国より相談や依頼が入ります。
それに対応すべく、あんしんネットでは各地の優良遺品整理会社との提携をすませ、協力体制を盤石なものとしています。
遺品整理に悩んだ時は、まずは相談をかけて、色々とアドバイスを受けていただきたいものです。そんなお手伝いから、あんしんネットはさせていただきます。