先週末、夜もそろそろ明けはじめる午前4時、自宅での出来事です。
腰の辺りに違和感をおぼえて、目を覚ましました。
前日の作業で、重い荷物を持ったことによる筋肉痛かな？と思い、指圧してみたのですが、しばらくすると激痛が身体を駆け抜けました。
全身冷や汗が吹き出し、両手と足にまで痺れが行きわたり、起き上がることができないのです。
一瞬、自分の身体に何が起き、そしてこれから自分はどうなるのだろうかと、遠のく意識の中で考えました。
約10分間、今まで味わったことのない痛みを必死に耐えて身体を起こしてみると、少しは楽になになったようです。
しかし、それもつかの間で、再び激痛が全身を襲い、さらに吐き気を伴ってきたのですから、明らかに内臓疾患だとの疑念がわきおこりました。
寝室脇のトイレまでたどり着くと、吐き気はあっても、腰から背中にかけて痛みがひどいために背中をかがめることができずに、立ち尽くすのみです。
その日は都内の福祉整理の予定が組まれており、現場監督としては穴をあけることができません。
仕事のことが頭をよぎるのですが、二度目の発作で、現場を離れて病院へ行かねばという考えにまとまりました。
まだ明け方の4時の出来事ですから、近隣に迷惑をかけてはと思い、自力でとは言ってもタクシーで、近くの大学病院のER受付へと。
受付で病状を語り、問診書に必要事項を記入すると、すぐに検査です。
まずは尿検査。
その時に、看護師さんから「血尿が出ていませんでしたか？」との質問を受けました。
この歳に至るまで、血尿が出たことはなく、なぜそれを一番に質問されたのかがわかりません。
ところが、実際に採尿してみるとどうでしょう。
今まで見たこともない真っ赤な尿が、採尿コップにたまっているではありませんか。
それを見ただけで、気持ちは落ち込み、自分の身体の中が明らかに異常をきたしていることを痛感してしまいます。
看護師さんに差し出すと、「おそらく泌尿器科で精密検査することになります。ERではCTスキャンとレントゲン検査をおこないますからね」と、断言されました。
すでに自分は病人だと、決め付けた私は、後はまな板の上の鯉になる覚悟を決めました。
時間は経過して、この時午前8時。
いまだ続く痛みの中、ERから外来診察へとまわされ、待合室で待つこと1時間。
はじめてかかる泌尿器科。
午前9時ジャスト。
私の名前が呼び出されて、診察室へと入りました。
そこにはパソコン画面に取り込まれたCTの画像を見入る担当医がいました。
「朝から大変でしたね。単刀直入に言うと“腎臓結石”です」
画像で腎臓部と膀胱部の説明があり、その中間の管に位置する白い影の部分が示されました。
直径5ミリほどの石ができそれが「結石」で、見事に管に詰まっているとのこと。
それが原因で腎臓が腫れあがり、末梢神経を刺激して、今回の激痛が引き起こされていたのです。
体内のわずかな異常ですが、異常だからこそ、肉体が大きく反応していたとも言えます。
ちなみに、人が感じる痛みで3本指に入るもので、時としては痛みで失神するケースもあるとのこと。
その日から２日間、痛みが続きましたが、投薬による治療と大量の水分補給、医師の適切なアドバイスにより、3日目から現場入り。
現場で、口だけ動かす現場監督として、再び連続の現場へと突入しています。
今回、このような症状に陥り、あらためて「健康でいられることのありがたさ」を実感しました。
会社の同僚は声をかけてくれます。
「体調どうですか？」
「大変でしたね」
「大丈夫ですか？」
「無理せずに」
「できることがあれば、かわってやりますから」
「こんな時こそ、休まないと」
みんな、私を思い遣っての温かい言葉です。
人は、健康で生きているということそのものが、誰にも心配をかけずにいる状態です。
その姿は、当たり前のようですが、実は尊い姿でもあると思うのです。
姿が尊いのであるならば、形だけではなく、心もそのようになければならないと、病を抱えた者としては思っています。
明日は午前中から腎臓のレントゲン検査です。
午後はもちろん現場入り。
「遺品整理は心の整理」
私たちあんしんネットのスローガンでもある「心」を、大切に思いながら、元気な身体で遺品整理に励みたいと思うコーディネーターでした。
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