先日の遺品整理現場での出来事。
神奈川県下の戸建て住宅での遺品整理。
亡くなられた方は、中学校で校長を勤められた男性。ご家族に見守られて息をひきとられました。
自宅には奥様と娘さんが同居されており、お二人が時間をかけて故人の遺品を整理されていたのです。
書斎には多くの書籍が並び、そのタイトルを見ても、すごく広い視野と興味をお持ちの方であるというのがわかります。
特に「宮沢賢治」関連の書籍が多く、かなりの研究家であるようです。
遺品の中にも、賢治関係の新聞記事のファイルはじめ、遠く花巻まで行かれた時の思い出のお土産。
書にも通じていたとのことで、「雨ニモ負ケズ」の詩を書写し、額装されたものなど、在りし日の男性の面影を偲ぶことができます。
賢治の遺した作品が大好きな私としては、興味津々。
現場作業では、もちろん私たちはそれらの遺品を手にするわけですから、次から次にイメージが膨らんでいきます。
膨らんだイメージを故人の娘さんに話すと、
「そうなんです。父は大の宮沢賢治ファンで、地元でも研究会を立ち上げたり、色々な会合に参加していたみたいです。私はあまり興味がなかったんですが、今回父のことを良くわかってくださった方に遺品の整理をしていただき、嘘みたいに思えますけど、うれしい限りです」と、涙ながらにお話をされました。
私たちの遺品整理は、単純に家財の撤去をすればいいというものではありません。
原点は、亡くなられた方の思い、さらにご遺族の思いを胸に託して、作業を続けるという整理です。
この思いがなければ、一人前の「遺品整理人」には決してなれません。
先日、その思いが欠けていた弟子をこっぴどく叱り付けてしまいましたが、思いを馳せることなく作業をするならば、一番は故人に対して礼を欠くことになります。
要は心の問題なのです。
そんな心持で、これからも遺品整理現場にのぞんでいきたいものです。
そう、「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」
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