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最近よく「遺品部屋」という言葉が使われています。

どうもしっくりとこない言葉ですが、簡略に解釈すると「亡くなった人の相続人が見つからないとか、相続放棄によって手がつけられなくなった遺品の保管部屋」ということになります。

独居生活者が増えている社会の中で、ある日その人がなくなると、必ず出てくる問題が「相続」となります。

通常は、法定相続に則り、相続人が出てくるのですが、戸籍を調べても連絡がつかないとか、相続人の意思により相続放棄をするケースはままあります。

現在、こういったケースが増加傾向にあり、今後ますます増えることは容易に予測できます。

私たちの遺品整理の現場でも、相続放棄をされるケースに出くわしますが、社会と言う共同体での生活では、他に迷惑をかけることもあるのです。

例えば、分譲マンションで生活をされていた方が、突然孤独死を引き起こした場合、その相続人が相続放棄をするとどうなるか。

通常のマンションならば、住民(分譲マンションの区分所有者)が管理組合を設けて、マンションの管理維持のための修繕積立金や管理費を支払わなければなりません。

ただし、故人の財産は残されたままになりますから、管理組合としても室内にある遺品には手を付けられないのです。

ということは、管理費や修繕積立金の徴収ができなくなり、月日が経てば未収金額も増えていきます。これでは健全な管理組合活動ができなくなり、マンションの資産価値にも影響を与えることになります。

NHKの取材では、ここ10年を調査して、故人の最後の住所がマンションなどの集合住宅になっていた事例は10万件にものぼったそうです。

最終的に、相続人がいない、相続放棄された場合は、裁判所が「相続財産清算人」(以前は相続財産管理人)を選任して、国の出す「官報」にそれらの情報が掲載され告知されます。

ここに至るまでも時間を要しますが、またそれから実際に遺品を整理するにもまた時間がかかります。

つい先日の孤独死現場も、相続放棄される案件でした。

故人は亡くなられて数週間後に、臭いで発覚したのですが、集合住宅では近隣の方に臭い被害や害虫被害をもたらします。

家財の撤去などは相続放棄の場合は、全く手をつけることはできませんので、現場の清掃と消臭作業で、これ以上の被害を食い止めるしかありません。

またこのような場合は、鍵がどこにあるのかも把握できないケースがあります。

今回は、公的機関が管理しており、そこの窓口とやり取りをして、ドアの開錠ができましたが、我々の動きも慎重にやらなければならないのです。

強力なオゾン発生装置での消臭

清掃と消臭作業を無事終えましたが、マンションの入居者がそのドアの前を通るたびに、どのような思いを持たれるか、そんなことを考えると、寂しい気持ちとなってしまいます。

あんしんネットの最近の動向としては、まだまだ忙しい時期が続いています。

時が経つのが早く感じられるこの頃ですが、もうあと2月ほど過ごすと新年を迎えます。

年末に向けての居室内の整理を進められるかたも多く、不用品整理や福祉住環境整理への出動が多くなっているようです。

「福祉や介護に寄り添った整理」を心がけ、その整理のなかにも依頼者や我々の想い(心)の整理を続けていきたいものです。

今年の冬は暖冬になるのではと、言われています。最近はインフルエンザがかなり暴れているようですが、いろんなことに気を付けながら、最善の整理を提供していきたいと思います。

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