やっとの思いでリビングへ到着した私は、目の前のソファーを見て、さすがに唸ってしまいました。
「うじ虫があまりにも多すぎる・・・・・。」
ハエが飛んでいませんでしたから、うじはいないと確信していたのですが、この冬場は寒さで成長がにぶくなるのでしょうか、それとも冬眠みたく活動を停止して、じっと温かくなるのをまっていたのでしょうか。
ソファーの上に、ちょうど人型についた体液と血液の滲んだ部分を埋め尽くすかのように固まって存在しています。
これらの蛆は、少しでも刺激を与えると敏捷な動きをしますから、一気にほうきで掃いて回収するのが得策です。
きれいに掃き取ると、なんと45ℓゴミ袋のほぼ半分の量になるではありませんか。
この蛆がふ化したと考えるだけでも、かなり恐ろしいものです。
前回、変死現場の発覚は臭いによるケースがほとんどだと書きましたが、マイナーなケースとしては、窓に大量のハエが飛んでいることをあれば、かなりの確立でその室内に腐敗した何物かがあるということです。それが人であったり、猫や犬ということも考えられます。
今回の故人は、このソファーでテレビを見ながら過ごしていたところ、突然の心不全となり息を引き取られたそうです。糖尿病の治療を長年にわたって続けられており、また室内の不衛生も加えて今回の不幸となったようです。
変死現場の特徴としては、
①室内が整理されていない → ゴミやほこりがたまっている状態
②室内が暗い → カーテンが閉めっぱなしで、湿気が漂っている状態
③室内にインシュリンの注射薬が溜まっている → 故人が糖尿病である証拠
④室内に小銭が散乱している → 整理整頓ができていない状況
⑤トイレは清掃した形跡が見られない → トイレ同様浴槽もカビだらけである
⑥冷蔵庫の中に、多量の食物が貯められている
⑦流し台の水周り
上記の項目が、自分の家であてはまる人がいれば、まさに要注意です。
変死までのカウントダウンが始まっていると考えなければなりません。
裏を返すと、室内をきちんと整理して、明るい室内で生活すれば、いかに糖尿病であろうとも、健康に生き続けることができると思われます。
環境が人の寿命を左右しますから、今からできることは積極的に良い方向に改善していくといいでしょうね。
近年流行の、「部屋をきれいに片付けて開運!」ということも、実は当たり前の話で、陰気な面を改善して、陽気を漂わせる日ごろの注意が必要だということです。
さて、ソファーの上を何とか応急処置で片付けたものの、周りを見渡すと、ため息をついてしまいます。
「ゴミが家財を覆っていて、果たしてどれだけの物量があるか、しっかりと計れない」そんな部屋なのです。
ゴミの種類によって、当然重さや容量が変わってきます。室内は、重みのあるゴミ系のゴミ屋敷。
リビングを計り終わると、次は台所。
足場には、次々とゴキブリが現れてくるではありませんか。
「うじの次はゴキブリか・・・・」などと考える暇もないくらいに、足元でゴソゴソとゴキブリが這い回っています。
早く見積もりを切り上げたいとは思いつつも、この現場をいかに段取り良く片付けるという思案もめぐらせないといけないのです。 (続く・・・)
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