ブログの更新がなかなかできずに、季節はいつしか冬となりました。
昨日は早朝より首都圏でも降雪となり、観測史上まれにみる早い冬将軍の到来となりました。
世界的規模で見てみると、北極海の氷が少ない時は、シベリアに張りだす高気圧が勢力を強めて、
それが影響を及ぼして日本まで大寒波をもたらすとのことです。最近の言葉では「スーパーシベリア高気圧」と命名されています。
その雪が降る中、あんしんネットのスタッフは元気に、現場や見積り、さらには営業へと飛び回っていました。
私は江東区の地域包括支援センター(江東区は長寿サポートセンターと呼びます)主催のセミナーへと出動。
11月は、先週7日間連続での講演出動。これが全て無料講演ですから、企業としての収益が伸びません。
しかし、社会貢献の為には、要請が出れば断ることをしないあんしんネット。まだまだ続けていきます。
さて、最近の動向をお伝えします。
今月は『週刊SPA』(扶桑社刊)で、2回にわたり「孤独死」関連の記事が掲載されました。
もちろん、取材対象はあんしんネットで、私もその中で色々とコメントを出しています。
孤独死を減らす為の取り組みが、社会としての大きな課題とはなっていますが、まだまだその対策が取られていないというのが現状です。
また、若い世代の孤独死の実態が、一般的に知られておらずで、それを知らせるため、警鐘を促すには記事は良くまとまっています。
私たちが孤独死現場に出動して、いつも目にする光景は、中壮年層の孤独死です。作業は、特殊清掃から始まり、現場の応急処置を施します。
そのようなことをするので、世間的には「特殊清掃人」とも呼ばれてしまいます。
以前も記しましたが、特別に特殊なことをやっているという思いはないのですが、第三者的に見ると、やはり特殊な清掃業者となるようです。
NHKの「無縁社会」シリーズの中で、あんしんネットが登場しますが、その時付けられた肩書きが「特殊清掃業者」でした。
それ以来、雨後のタケノコのごとく、国内にはそれを専門に行なう業者が出てきたようですが、専門知識や現場経験のない業者が始めるケースが多く、消費者センターなどには多くの苦情、特に高額請求被害などが報告されたようです。
まったく困ったことです。
今年1月に刊行された、金融機関が融資をおこなう際に参考とする「第13次業種別審査事典」。
この中に、新たに「遺品整理業」という業種が追加されました。
野村総研の方から相談を受け、その項目の執筆にあたりましたが、それとは別の業種で「特殊清掃業」の執筆もお願いしたいというリクエストがなされました。
私の基本的な考えは、遺品整理という業態のなかに、特殊清掃が含まれているというものですから、別の業種ではなく、あくまでも遺品整理業の中に組み入れました。
遺品整理と特殊清掃を別個の業種としてとらえると、総合的な判断ができなくなり、その作業も中途半端となり、ひいてはユーザーに多大な迷惑をかけてしまいます。
つい最近の事例として、都心の一等地にあるマンションでの孤独死現場。
70歳代の女性が玄関口で孤独死をされ、死後3週間で発覚。
故人のお兄さまが、特殊清掃をしている業者をネットで調べて、倒れていた場所の清掃依頼をしました。
その業者は、特別な薬剤も使用することなく、玄関フロアーに染みついた体液や血液をタオルで簡単に拭き取り、その周りに散らかっていたゴミと共大型ビニール袋に入れ込みました。
そのビニールはちゃんと密封もしないで、残置物と共にトイレに入れ込みをしていました。
その為に、トイレはもちろんのこと、部屋中に異臭が広がり、大変なありさまです。
その時の清掃費用は、なんと20万円とのこと。
こんなお粗末な特殊清掃はあり得ません。
突然の出来事で考える余地もなく、清掃を依頼されたのですが、その後の遺品整理は別の業者を探すことに決めました。
ネットで探すと怪しい業者にひっかかる恐れを抱き、そのマンションが建つ地区の役所に相談をかけ、あんしんネットが「ここなら間違いない」と紹介され、見積り依頼となったのです。
見積りに伺い、それらの話を聞き、現場状況を見ましたが、やはり現場経験のない業者のやり方で、掃除の残置物の放置などには呆れてしまいました。
特殊清掃は、初動処置を誤ると、多大なコストが発生します。
私たちは、現場状況を把握して、それに見合った処置を施します。
それも最善でなるべくコストをかけないやり方を用います。
利益追求のみを目的にしている業者は、そうはいきません。
臭いがあまり出てない事案でも、「死臭がかなり強いので」という言葉のもとに、オゾン消臭機を室内に入れようとしますし、それも臭いが強くなければ3日ほど入れれば充分なのですが、1週間から2週間入れるような営業トークをしてしまいます。
仮に1日単価15000円ならば、2週間で21万円の支払いが発生することになります。
会社によっては2万円単価をつけているところがありますが、2週間で28万円。オゾン消臭機が買えるような金額提示となります。
あんしんネットでは、まずは薬剤消臭をお勧めしています。
これは人体に影響を及ぼさないもので、作業前と作業後に散布します。散布場所の広さにもよりますが、1回の散布で1~2万円前後です。
孤独死現場が発生すると、遺族側は突然の出来事なので、気持ちの整理がつかないままに、業者の言うがままの状態に陥ってしまいます。
そこにつけ込むことなく、遺族の立場となって処置を考える、そんな特殊清掃会社に育って欲しいと願っています。
あんしんネットの整理も、「遺品整理」専門から始まり、「福祉整理(福祉住環境整理)」、そして「後見整理」を施すようになりました。
それは社会が求めている整理の分野であり、また私たちも整理のスキルを高め、常に整理現場のパイオニアでありたいと願って、日々研鑽に努めています。
現場から多くのことを学びます。また、現場は社会のありのままの姿を見せてくれます。
そんな現場からの声が、講演活動へとつながっています。
昨日の講演で324会場をまわったことになり、1会場平均1時間30分の話となれば、29160分話をしたことになります。
自分でも良く続けられているなと思いますが、これは会社側の理解と、周りのスタッフの支えがあればこその話です。ありがたいものです。
来年も、1月や2月に、すでに多くの地域から講演要請が出ています。
できるならば、そろそろ講演を次の世代にゆずり、現場の陣頭指揮にあたりたいと考えるこの頃です。
お久しぶりです。
私の実家には物が溢れていて
現在必要としていない物もたくさんあり、
実家に帰るたびに少しずつ
そして、一つずつ、本人の意思を確認ながら
処分しています。。
が。
物を捨てられない世代。
なかなか難しいですね。