9月に入りましたが、まだまだ猛暑続きです。秋の訪れを告げる台風も、15号まで発生して、明日には関東地方に上陸する可能性が出ています。
今日も3現場にスタッフが駆けつけ、30度を超える暑さの中、とめどなく出る汗と戦いながら、作業を続けています。
私はエアコンの効いた事務所で、講演資料の作成はじめ取材協力の為の資料選定の作業を続けて、脳内活動だけは高めています。
ここにきて、連日のように孤独死現場の整理案件が増えあがっています。
昨日も今日も、見積や現場に駆けつけていますが、スタッフ総出でフル回転させて対応しています。
さらに企業間での業務提携が幾つも重なり、まさにこれからが正念場を迎えます。あんしんネットのスタッフは、愚痴をこぼすことなく日々の業務に真剣に取り組んでくれていますので、ありかだいものです。
さて、今回は後見活動をされている士業の方向けにおこなったセミナー内容を紹介してみます。
後見を受任されて活動をしている士業の方は、弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士、税理士などですが、被後見人の動産処分には多く関わる機会があります。
それを整理人の現場目線で、処分の際に配慮すべき事や、見積もりの際に気を付けるべきポイントをセミナーでは解説していきます。
家財処分が必要なケースとして圧倒的に多いのは、「施設入居に伴う家財処分」となります。今まで被後見人が住んでいた居宅から施設や病院に移って、そこを明け渡す必要性に迫られた際に発生します。
今まで住んでいた居室が、持ち家であるか、賃貸であるかにより、整理内容も変わってきますが、家財を右から左にただ処分するのは宜しくありません。
民法858条の精神に則った整理を心がける必要があります。
これはいかに被後見人に寄り添うかということに尽きるかと思いますが、後見人同様、整理を行なう私たちにも同じことが言えるのです。
物の処分は簡単に行なうことができますが、被後見人にとって身上保護(監護)の上で残さなければいけない物もありますし、財産の保護からしても有価物はきちんと評価して確保しなければならないのです。
私たちのこのような整理は「後見整理」という名を付けておこなっていますが、そこまで考えて整理をする必要があると、つくづく考えさせられるのです。
任意後見を受けられるくらいにお金の余裕があればいいのでしょうが、実際には生活困窮者が被後見人となるケースも多々あります。
後見人から、「なるべく費用をかけないようにやって欲しい」などと言われると、
最大限に知恵を絞って、負担を減らす努力も行ないます。時として、売上が立たないくらいの料金提示をすることもありますが、今後増えると予想される後見整理の案件は、行政サイドにも考えて欲しいといつも思います。
昨日は、都内の後見センターの職員が来社されセミナーの打合せをしましたが、最近の後見の在り方や現況を伺い、認知症患者数の増加や精神疾患や知的障害者数を見ても、国内での後見制度の在り方を、多くの国民が知っておく必要があると痛感します。
制度の揺らぎが見え隠れしていますが、例えば被後見人の死亡により、後見業務から一切離れるということではなく、その後の葬儀や納骨、さらには遺品整理など死後事務は続くのですから、そこまで含めての後見を考え合わせて欲しいと思います。
「後見整理」も、過去の事例をあげると2,000件は現場を構えているようです。時には被後見人の居宅ベランダの鳩の糞の清掃があったり、居宅の風通しや定期的な清掃、植栽の伐採など整理と関係ないと思われる業務も、スタッフが駆けつけて後見人のリクエストに応えてきました。いつしか、「納骨代行サービス」と言って被後見人の遺骨を菩提寺のお墓に納めるというサービスも行なっています。
よろず屋みたいに見えるかもしれませんが、できる限り後見人に寄り添ったサービス展開を今後も続けていきたいものです。
あんしんネットの整理は、福祉住環境整理、後見整理、そして遺品整理を柱にして、空き家整理や生前整理にも対応しています。
地道にコツコツをモットーに歩んできていますが、一つ一つの現場に、まさに一期一会の精神で取り組んでいきます。