例年になく早く、桜満開の好季節を迎えました。都内でも桜は見事に咲き誇り、その美しさに心を癒されます。
日本人にとって、「花」と言えば「桜」と答える、理屈ではない反応もそんなところにあるのかも知れません。
遠く平安時代に源義家が詠んだ
「吹く風を勿来の関と思へども 道をせに散る山桜かな」という歌が浮かんできます。
これからは、桜吹雪の見事な桜の花の散りざまを楽しみたいとも思います。
さて今回は、あんしんネットが続けている講演会やセミナーについて思うことを記していきます。
あんしんネットの業務を始めて、まず感じたことは、「なぜこんなに孤独死現場が多発しているのか」という素朴な疑問です。
遺品整理は、亡くなられた方の遺品を整理するのが業務です。病院で亡くなるケース、自宅で亡くなるケース、そして誰にも看取られることなく亡くなるケース、人によって様々です。医師や家族に看取られるのは通常のケースとなりますが、看取りががなく、それも何日も後になって発見となる場合が「孤独死」や「孤立死」といった表現をされてしまいます。
そういった場合の遺品整理は、特殊清掃なども行なうこととなり、遺族にとっては精神的にも苦しめられてしまいます。また、清掃や整理作業を行なう私たちも、本音を明かすならば、決してやりたいという業務ではありません。
超高齢社会の中では、独居高齢者の割合も年々増加しており、孤独死の数も当然増えていきます。
また、地域社会の中でそれが発生すると、その社会の中でも問題視されてしまいます。
と言うことは、やはりその課題を解消すべく、地域での取り組みが必要となります。
答えを先に出すならば、「地域での高齢者に対する見守り活動を強化して、さらに支援体制を充実させる」ならば、こういった問題は軽減されていくと思われます。
その思いで始めたのが、孤独死問題対策の講演活動でした。
実際の現場シーンを可視化して、どこに問題があったかをあぶりだして、その対策を参加者と共に考えていくという内容にしました。
その講演に集う方は、最前線で活動している専門職が主でしたが、地域によっても温度差がありますから、支援体制を充実させるにしても多くの時間を要するものでした。
そこで直接的に高齢者に訴えかけるという方向性を出して、「孤独死」をストレートにダスト暗い気持ちになりますので、明るく楽しく学べる学習会スタイルのセミナーテーマを掲げることにしました。
高齢者の「自助」努力ともなる「今すぐ始める生前整理」というものです。
私たちが行なう遺品整理や福祉住環境整理の作業の中で見えてくる整理術を、現場目線で、机上の空論ではない実践論を伝えていくというものです。
私自身、整理術を理論武装することなく、できる限り分かりやすく、それも楽しく聞いてもらえる内容で組み立てています。
日常生活の中で、生活環境を整えておくことは大切なことで、それが心を整理していくうえでも良い効果を生み出してくれます。
最初から講演原稿というものは作成せずに、常にアドリブで要点をお伝えしています。
すでに先日の講演で843会場をまわったようで、それくらい話をしていると、あとは参加者の表情に合わせて内容を少しずつかえていきます。
先日は名古屋市での講演でしたが、2部構成で2時間みっちりと話をさせていただきました。
前半が「終活」の心構えについて、後半が「生前整理の実践方法」についてです。
200名を超える方が参加して、熱心に話を聞いてくれましたが、皆さんの顔をみているとその理解度が見えて、話し手としては嬉しくなります。
その瞬間が私にとってはありがたく、ひいては孤独死問題の解消に繋がっていくことを確信します。
この講演活動は、スタート時より、講演料は一切辞退させてもらっています。主催者によっては、予算で講演料は確保しているので受け取ってもらいたいというケースもありますが、それは先方様の言い分であり、こちらとしてはそれでも辞退します。
無料講演だからこそ、参加者にもあえて厳しい言葉を投げかけることもあります。でも、よくここまで続けてきたなと、自分でも感心してしまいますが、まだまだ話ができるうちは続けていきたいものです。
良く石見先生などと言われますが、学者でも教育者でもありません。ごく普通の整理人なのです。ですから、いつでも普通に「石見さん」でありたいものです。
名古屋でおこなった講演でのアンケート結果が届きましたが、参加者が「良かった」と評価してもらえることが一番です。
今回は、その感想の一端を付けておきますが、この講演の始まりに次のような言葉を投げかけました。
「今回の講演は、どえりゃー良かったと、思ってもらえるように、頑張って話をします」と、方言を入れて伝えておきました。
【参加者の感想より】
・わかっていてもやらないから…いけない。改めて、役に立ちました。ありがとうございました。
・とても分かり易かった。ぜひ実行したい。
・わかりやすい説明、講演であった。
・大変参考になりました。
・整頓を始める準備をしていたから。
・具体的でわかりやすかった!!家にも戻ったら、すぐかたずけたくなった!!
・物の整理から終活が始まるということ。今後の生活において、見通しがつきました。
・大変わかりやすく、聞きやすかったです。私も 2 年前に親がなくなり、整理・相続で苦労しました。
・ありがとうございました。
・気持ちを前向きにしていただきました。
・具体的に何をしていけばよいかが学べた。
・わかりやすく、おもしろい。
・身につまされる話が楽しく、わかり易くきくことができた。
・大変判り易く丁寧なお話でした!
・整理上手の先生であり、話し上手の先生だと思いました。とても楽しく聞くことができた。
・認知症予防を真剣に考えなくてはならないと思うから。
・家に帰ったらすぐにでも実践したい、大変勉強になりました。
・声のトーン、話がとてもうまい。
・80 才を目前にして、エンディングノートの書き直しをしなくてはと思っていたところ。
・毎日の生活の身近なところから、始めることが策だと思った。
・具体的な話がきけてよかった。
・大変解りやすい話、内容で気になる事むずかしいことを話していただけたこと。あらためて、今から…と思いました。感謝。
・大変楽しく(おもしろおかしく)お話が聞けました。明日から、整理整頓、片付けしたくなりました。有難うございました。
・いろいろ勉強になりました。
・家の中にものが多く、まるで私の事の様でした。時間はたっぷりあるので、明日から頑張って整理します。
・まず、ほかすことにかんどう。
・整理するキッカケができた。
・とてもわかりやすく、具体的で行動しやすい内容でした。終活といっても良くわからず、考える行動につながる様な良いキカイとなりました。
・わかりやすい講演をありがとうございました。
・早い内に片付けたいです。(少しずつはやっていました)大変ためになりました。
・わかりやすく、納得いくような説明で、その通りと思うようなお話で良かったです。
・本気になって片付けをしないといけないと思った。
・解りやすく話された。
・解りやすく、先生のお話はおもしろく、即、実行してみようと思いました。他人の方からゴミ屋敷と言われショックで、くやしい思いをしましたが、反面教師と思い、きれいにしたくなりました。
・昨年、主人が逝去し、私一人の生活になりました。元気なうちに残された子供達の負担にならない生き方をしたいと考えています。非常に参考になりました。
・具体的に自分にとって何をする順番か、すぐ実行したい。
・わかりやすく、順序よく構成されている。思い立つこといっぱい。
・すごく理解できました。お話がお上手で退屈しませんでした。モチベーションが上がり、帰ったらすぐやれる事から取り組みます。
・わかりやすく、整理をする気持ちになった。
・実践あるのみと、心にとどめて帰ります。
・聞きやすい声で、ユーモアもあり聞きやすい。TV のアナウンサーより聞きやすい声で good!!
・わかりやすかった。
・今日からすぐに整理したくなりました。
・自己判断が出来る間に、後に残さない様にしなければと思う。
・今の自分の事がよくわかり考えさせられました。ひょってしては口ぐせでした。整理の基本は大変わかりやすく、やってみようと思います。
・わかりやすくお話しして下さいました。改めて考え直すことが出来ます。
・楽しい話し方で、おもしろおかしく良かったです。
・具体的な事例が聞けたこと。
・非常に判り易い。
・わかり易いお話しで、明瞭で簡単にまとめられていて、いろいろな講演会を聞いてきましたが最高でした。
・ひょっとして旅立ったの一言。
・所々におもしろい話題を入れて下さってて、最後まで集中して聞くことができました。やるべきことを簡潔に教えていただき、今日から始めたいと思いました。
・現在、終活を始めていますが、解り易い行動が良かった。
・整理する事の手順、内容、心がけ等をわかりやすくお話をいただいた。
・話がおもしろい。
・すべてわかっていることですが、物や思い出への執着心が強く実行ができない日々ですが“実行あるのみ”の火つけ役になりました。少しずつ実行していきたいと思います。
・終活の始めどきであることを再認識することができたから。この機会をいただき、ありがとうございます。
・弁舌さわやか、聞きやすかった。話の内容も充実していた。
・具体的に、色々例を上げてくれてわかりやすかった。
・身辺整理をしなくてはと思いつつ、していない現状です。小さなことでも、毎日心掛けなくてはと思うようになりました。
・具体例を聞けた。
・話もわかりやすく進行もとても上手です。今日帰ったら片付けをしようと思います。まず、写真を撮って客観的に見直したいと思いました。
・これから物を増やさない又、子供達に迷惑をかけないために整理を心がけます。
・思いあたる事ばかりですが実行できない。
・整理整頓を出来るうちからしなければなりません。
・わかりやすくて片付けしようという気持ちになりました。整理しようと思います。
・早速、やる気になりました。
・終活・整理、以前少ししたがとても疲れ、しばらくやっていない。又、少しずつはじめようという気になった。
・事実はその通りだなぁ~とつくづく反省させられました。